れおの 写メ日記一覧
9月
眠り姫
あなたにとって優しい夢って どんな夢でしょうずっと会いたかったひとに会える夢もう一度だけ触れたかったものに触れられる夢それとも何も起こらない静かな場所でただ誰かの体温に守られながら 眠る夢いい夢のかたちはきっと 人によって違うのでしょうわたしが夢を見るならあなたがいちばん無防備になれる夢がいい昼間は上手に隠している寂しさも誰にも見せない欲も平気な顔の裏側で押し込めているものも眠っているあいだくらいは全部ほどけてしまえばいいと思うのです夢のなかには 現実みたいな正しさも明日の予定も 時計もいらないから欲しいものには素直に手を伸ばして会いたいひとの名前を呼んで触れてほしいとき触れてほしいと言ってすべて 枕元に置き忘れてしまえばいいもしそこにわたしが登場できるのならただ隣で眠っているだけでは少し物足りないかもしれません眠りに落ちる直前の意識と夢の境目がいちばん曖昧になる時間瞼は重たいのに肌だけは妙に冴えていて耳元に落ちる吐息や首筋をなぞる指先みたいなほんの些細な刺激ばかりを拾ってしまう腰に腕をまわされて逃げ道を塞ぐみたいに身体ごと引き寄せられたらきっと安心するのと同時に少し 困ってしまう背中をゆっくり撫でられて髪に触れられて首筋に唇が触れそうなくらい近くで呼吸を感じて眠りたいはずなのにもう少しだけこのままでいてほしいと思ってしまうそういう触れ方が 好き乱暴じゃないのに逃げられなくて優しいのに身体だけはちゃんと熱を持ってしまうようなおやすみ と言われたあとまで離してもらえなくて眠気に負けそうな頭でそれでもまだあなたの手を探してしまうもっと近くにもう少し強くあと少しだけ ここに触れていてそんな我儘を口にする前に察してもらえたらたぶんわたしはずいぶん素直な顔をしてしまうのでしょう身体から余計な力が抜けて考えることもだんだん億劫になってどこまでが眠気でどこからがあなたのせいなのかわからなくなるただ体温だけを頼りにあなたの腕のなかへ沈んでいくそんな夜なら夢を見る前からもう いい夢みたいもちろん眠ろうとしても眠れない夜だってあるでしょう静かになるほど考えごとが増えて目を閉じた途端見ないふりをしていたものばかり浮かんでしまう夜ただほんの少しだけあなたが 本当はどんな夢を見たいのか考えてみてくださいどんな場所なら安心できるのか誰の声を最後に聞きたいのかどんなふうに抱かれたらようやく身体の力を抜けるのか現実では言えないことだって夢の手前なら誰にも聞かれませんだから好きなだけ欲張っていいそして その想像の片隅にわたしを置いてもらえるのならあなたが眠るまで少し狭いくらいに身体を寄せて離れないように腰へ腕をまわしていたい眠ったあとまで肌にわたしの熱が残るくらい静かに しつこく あなたの夜に居座っていたいですおやすみなさい今夜くらいは夢のなかのあなたを わたしにください朝が来るまでだけ誰にも見せないあなたの ままで
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秘めた
ネイルを変えました今回は 手も足も深い赤こういう色を選ぶときただ 可愛いから とか 秋っぽいから とかそんな理由だけではない気がしています赤には 少しだけ意志がある ね視線を奪うための色でもあり近づいてほしいと誘う色でもありそれでいて簡単には触らせないような強さまで持っているだから好きなのかもしれません白い肌の上に赤が乗ると自分の指先なのに少しだけ他人のものみたいに見える瞬間がありますグラスを持ったとき髪を耳にかけるとき服の裾を直すときあなたの頬や首筋にそっと指を添えるときほんの少し動くだけなのにそのたびに赤が視界へ入ってくるそういう無意識の仕草まで艶っぽくしてくれる色が好き足元まで 同じ赤にしたのもお気に入りですだって手元なら日常の中でいくらでも見えるでしょうでも足の爪なんて靴を脱がなければほとんど誰にも見えない見えない場所まで綺麗にしているということがなんだか 秘密をひとつ身体の中に隠しているみたいでそれだけで少し気分がいいのです服を着て靴まで履いてしまえば何も知られないのに実はその下では爪先まで真っ赤そういうの ちょっといやらしくないです か誰にも見せるつもりなんてなかった顔をたまたま 近くにいた人だけが見つけてしまうような知らなくても困らないことを知ってしまった瞬間だけ急に特別になる感じそういう秘密が好き会ったときに気づいてもらえるのも嬉しいですあ 変えたの って何気なく見つけてもらうのも好きだしちゃんと手を取って指先まで見られるのも 少し照れる足元なんてもっと目の前でじっと見られたらきっと急に恥ずかしくなるのでしょうねでも恥ずかしいと思えば思うほど見つけてほしくもなる触れられる直前の距離で相手の視線がどこにあるのかわかってしまう瞬間とか指先からゆっくり視線を辿られるだけでまだ何もされていないのに身体のほうが先に意識してしまったり綺麗にした場所を見てもらうというのは思っているより ずっと無防備なことなのかもしれませんだからでしょうか新しいネイルにすると同じ身体なのに変わる気がするいつもの手なのにいつもの足なのに赤があるだけでここを見て と 言っているみたい自分からは何も言っていないのに爪先だけが勝手に誘惑しているみたいそう思うとこの色がますます好きになります今度会ったらちゃんと見つけてくださいね写真ではただ綺麗に見えるだけの赤があなたの目の前ではどんな色に見えるのかそれを知るのも少し 楽しみにしていますだって見つけてもらうために隠している秘密ほどいやらしいものはないでしょう
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手招き
キスするとき後頭部を 支えられるのがどうしようもなく 好きですそこに腰へまわる手まで加わってぐっと身体ごと抱き寄せられた瞬間たった それだけでぞくっとしてしまう身体だけはもう この先を 期待してる特に好きなのは後頭部にある手髪の奥に指が触れて逃がさないみたいに支えられたまま唇を重ねて欲しいの腰にまわされた腕にも弱いです少し強く引き寄せられて身体の隙間がなくなるほど近くなると相手の呼吸も体温も わかってしまう逃げようと思えば逃げられるなのに逃げるどころか自分からもっと近づきたくなるたまらなく 気持ちいいキスが長くなるほど呼吸が浅くなって離された瞬間にはもう一度 と言葉にするより先に唇が 追いかけそうになるけれどどれだけ夢中になったところで唇は いずれ離れる腰に残っていた手もほどけて乱れた呼吸もいつか 普通に戻ってしまうそれがわかっているから余計に欲張りになるのでしょう ねあと一回もう少しまだ離れないでせめて今だけは何も考えられないくらい夢中に させて
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頂戴
今日は朝から ずいぶんゆっくり予定に追われるでもなく少し乱れた髪のまままだ眠気の残る身体をベッドに預けてぼんやりこういう時は普段なら素通りしてしまう自分の感覚がよくわかりますシーツの冷たさとか何も考えず伸ばした手足の心地よさとかしあわせ は身体のほうが先に ここが好き と答えてしまう瞬間に宿っているのかもしれませんいつか本当に訪れるのかもわからない未来を担保にして現在を差し出すような生き方はあまりしたくない から先のことを考えるのは大切だけれど未来とは結局まだ一度も触れたことのない 時間それなら私はまだ存在していない幸福を想像して今日を薄めるよりいま目の前にあるものを濃く 味わっていたい心が踊る という言葉は可愛らしいけれど本当はもっと身体的なものなのかもしれません近くにいると意識してしまう距離触れていないのに妙に熱く感じる皮膚もう少しここにいてほしい と口にするより先に縮めたくなる隙間何年後まで続くのかなんて約束できなくてもいい永遠という立派な名前をつけなくてもいいあなたといる私の心がちゃんと動いていることこの瞬間の体温を嘘なく欲しいと思えていることそれだけで充分に尊いでしょう
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